虫の翳

最近本当に毎日のように夜を走りきっている。明るくなった空を必ず見てから眠っている。夏の夜の虫の声は驚くほど綺麗だなと思う。鳥の声も。ブログ、何か文章を、すごく書きたいんだけど、何を書けばいいのかわからないことが、実はかなり多い。会話じゃないから、全部自分の中から、絞り出さなきゃいけないし。

 

怖いことがたくさんある。嫌な予感がたくさんしている。なんだか、薄気味悪い雰囲気の、ジリジリとした夏。この季節は例年、心理的なバリエーションがとても豊かな気がする。だけど今年は決定的な何かが起こるわけでも無くて、ゆっくりと時間が過ぎていく。今は社会的にも停滞のニュアンスが色濃くて、そこから繋がってくるように私の周りでも、そういう空気感があるんだと思う。怖い。情熱とか、友人とか、人生の時間をたくさん割いてきたものとか、私に対して他の人が抱く気持ちとか、他の人に対して私が抱く気持ちとか、そういうものが自然と、ポロポロと落とされて、徐々に失われていっているような気がする。杞憂だと良いな、と思うけど、なんだかそういう嫌な予感がずーっと、ジリジリと、至近距離で私の横顔を見つめてくるような、そういう怖さが、なんだか今年の夏にはある。あるいはもしかしたら、そんなことは前からずっと行われてきて、今まで、なんなく見逃してきたものに、今更になって目が止まっているだけなのかもしれない。